文科相にまた自殺予告手紙
いじめを苦にした自殺が中高生で相次ぎ、文部科学大臣宛に自殺予告の手紙が相次いで届き、マスコミも含めて、社会問題になっています。
読売新聞では、以下のように報道されています。
「<<文科相にまた自殺予告手紙、女子高生名乗り渋谷の消印>>
文部科学省は9日、いじめを苦にした自殺を予告する内容の手紙が同日午前、伊吹文部科学相あてに届いたと発表した。
届いたのはA4判の封筒で、表には「大臣官房室行」、裏には「伊吹文明文部科学大臣様」と書かれ、消印は「渋谷、8日」だった。手紙はリポート用紙2枚で、「高校2年の女です」「11日死にます。いじめた人も許せない。殺して殺して死んでやる」「こんな学校なんとかしてください。いたって本気なんです」などと書かれていた。同省では、東京、千葉、埼玉、神奈川の教育委員会などに該当する案件がないか調査するよう依頼するとともに、警察庁にも連絡をとった。
(2006年11月9日19時50分 読売新聞)」
社会心理学者のロバート・B・チャルディーニの書いた「影響力の武器」という本があります。
社会心理学の決定本
影響力を武器にしようとする、詐欺師が読む前に読んでおこう
震え上がりました。 そして人生が変わりました。
根源的??
大いなる知恵書きしるされた名著です。この中で、『死に至るサルまね』の項で、以下のような話を紹介しています。
「すなわち,誰かの自殺が一面記事で報じられた後、飛行機-自家用飛行機、法人のジェット機、定期旅客機のいずれもが驚くべき率で墜落することです。
例えば、ある種の自殺が広く報じられた直後には、商業用飛行機の墜落で死亡する人の数が10倍にもなることが明らかにされているのです。さらに驚くべきことに、その増加は飛行機に限られるわけでは、ありません。自動車事故による死亡も同じように急増するのです。
(中略)
「カリフォルニア大学サンディエゴ校のある社会学者:フィッリプスは、「ウェルテル効果」と呼ばれるものが原因であると確信しています。
ウエルテル効果の内容は,背筋が寒くなる内容では、ありますが、また同時に好奇心をそそるものです。2世紀以上も前、偉大なドイツの文豪ゲーテは、『若きウエルテルの悩み』という小説を出版しました。主人公ウェルテルの自殺を扱ったこの本は、驚異的な影響を及ぼしました。その本によってゲーテが一躍有名になったばかりでなく、ヨーロッパ中でウェルテルをまねた自殺が相次いだのです。影響がとてつもなく大きいものだったので,幾つかの国の当局者はこの本を発行禁止にしました。
フィリップスの業績は、このウェルテル効果を今の時代に求めようとしたものです。自殺の一面記事が広く公表された地域では、その直後に自殺率が劇的に増加していることが,彼の研究から示されています。フィリップスの主張は、,問題を抱えた人が他人の自殺の記事を読むと,その中の何人かが模倣して自殺するというものです。これらの人々は、同じように問題を抱える人々がどのように行動したのかに基づいて自分の取るべき行動を決定するのです。これは,社会的証明の原理のぞっとするような例証といえるでしょう。
(中略)
他人の死を知ると,残念ながら多くの人々が自分たちにとっても自殺が適切な行動なのだと決めてしまいます。そして,その中の何人かがためらいなく直接行動に移り、自殺率を激増させてしまうというのです。
しかし,他の人々はもっと間接的なやり方を採ります。さまざまな理由によって-自分の評判を守るために,自分の家族を辱めたり,悲しい思いをさせないように,自分の扶養家族が多額の保険金を手にすることができるように-彼らは自分が自殺したように見られたくなかったのです。むしろ,事故死を見られることを望んだのでしょう。」
子供達のいじめと自殺の一連の問題に関係して、このようなウェルテル効果による影響性が働いているように思います。
いじめによるとのことで遺書を残して自殺した中高生がマスコミで大々的に取り上げられ、その原因探しや責任がどこにあるかとして教師や学校や家庭教育教育制度が追求されたりしていることが第2、第3の自殺の連鎖に繋がっているようなことがないか心配です。
同じような境遇にあると感じている中高生がテレビなどの報道を見て、自分をしっかりと見つめ、かなりの問題の原因が自分にもあると感じさせることもなく、やっぱり社会なり,学校なり、大人なり、自分が自殺するのは,他人のせいだと思わせるようなことになっていないだろうか?
いじめは、無くすことができないとすれば,自殺をさせないことの対策が先決。
このような連鎖を絶つ対策は、子供の自殺があっても報道協定などにより、一切取り上げないことかも知れませんが、それが無理とすれば、自分は、いじめを体験し,自殺も考えることがあったがこういったことで踏みとどまった。生きていて良かったというような体験情報をマスコミがこぞって、流すことではないかと思います。
あるいは、自殺は、他人か自分かの違いで、結果的には、人を殺していることと同じで、極めて罪深いことになると繰り返し説く。
今のマスコミの過剰な報道が更なる自殺の連鎖を生み出すのではないかと心配です。







