歯の再生:マウスで成功:キーワードの泉

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2007年02月20日

歯の再生:マウスで成功

  歯のもとになる組織(歯胚(しはい))から、神経や血管を含め歯をまるごと再生させることに、東京理科大と大阪大のチームが世界で初めて成功したとの報道。マウスでの実験によるもの。

2月19日のTV番組:「報道ステーション」の中で紹介されていました。

東京理科大再生工学研究センターの辻孝・助教授や大阪大大学院歯学研究科の斎藤正寛講師らが19日、米科学誌ネイチャー・メソッズの電子版に発表したとのこと。従来の技術より形態や機能がよく再現され、成功率が高いのが特徴。医療機関などと共同で人間の医療への応用を目指すとのこと。

ウェブで公開されている論文を読むには、入会が必要(有料)だが、Nature Methodsのサイトで2月18日付けの記事の概要が以下のように紹介されています。

<<The development of a bioengineered organ germ method>>

Kazuhisa Nakao, Ritsuko Morita, Yasumitsu Saji, Kentaro Ishida, Yusuke Tomita, Miho Ogawa, Masahiro Saitoh, Yasuhiro Tomooka, Takashi Tsuji

SUMMARY: To bioengineer ectodermal organs such as teeth and whisker follicles, we developed a three-dimensional organ-germ culture method. The bioengineered tooth germ generated a structurally

Nature Methods (18 Feb 2007) Brief Communications

 幹細胞というのは、未分化の状態で増殖能を維持した細胞のこと。

受精卵由来の胚性肝細胞(ES細胞)、胎児由来の胎生生殖細胞(EG細胞)、成体由来の肝細胞などがあります。

この肝細胞は、再生医療の主役として注目されています。

この幹細胞をex vivo 生体外で増やし、プロセッシングして目的の細胞を作り出すことによって細胞医薬として拒絶反応などなしに病気を治療しようというのが再生医学です。

東京理科大のグループは、同研究室紹介のウェブサイトによると、これまでに造血幹細胞(全血液細胞のもと)を増やすシステムを開発し、国内初の白血病患者に対する臨床試験へと発展させるという成果を。 また幹細胞の自己複製に関わる分子の探索や、幹細胞が存在する「場のシグナル」や細胞間のコミュニケーションの分子機構などの基礎研究を進めていて、生体内に存在する幹細胞の分化誘導システムや三次元的な組織構築など、再生医療への応用に役立つ研究を進めているとのことです。

 とくに機能を失ったり、機能不全となった組織や臓器を再生する医療。患者自身の細胞を元に、組織や臓器を培養できれば、拒絶反応の心配がない移植も可能になり、現在の臓器移植や機械的な人工臓器に代替する治療手法として実用化が期待されています。

今回の新聞報道によると東京理科大と大阪大の共同研究グループは、歯を再生したり、薄くなった毛髪の復活に道を開く新たな治療法の技術開発に成功したもの。

 マウスによる実験では、正常な歯と同じ構造の歯を100%の確率で再生し、何度繰り返しても同じ結果を得られた。毛の実験でも毛が発生し、伸びることを確認したという。肝細胞としてEG細胞を用いていることになります。

これまで歯の組織の断片をつくったり、歯の再生確率が20%程度の技術は開発されていたが、確実に再生できる技術は世界で初めてとしている。

胎児マウスの歯胚から両細胞を採取。

それぞれの細胞に分離したうえ、寒天状のコラーゲンの中に重ねるように入れ培養したところ、高さ0.25ミリの「歯の種」ができた。これを拒絶反応を起こさない種類の大人のマウスの抜歯部に移植すると、約2カ月後には長さ4.4ミリに成長。

歯の内部には血管と神経があることを確認した。抜歯部に移植を試みた22回中17回で歯が再生した。

 一方、マウスの毛でも同様の方法で培養し、毛の再生にも成功した。

テレビでもシャーレの中の歯と毛髪を公開していました。毛髪の方は、肉眼ではよく分かりませんでしたが。

 研究グループリーダーの辻孝東京理科大助教授は、「歯の再生を人間で実際に行うにはまだ時間がかかるが、毛髪の再生は5年以内にできそうだ」としているとのこと。EG細胞を肝細胞として用いるので、人での実施には、胎児からの歯胚入手という倫理上の課題や、別人からの移植に伴う拒絶反応の問題もある。研究チームは、患者自身の口内や頭皮から、基になる細胞を探していくとういうことだ。

今後、医学系研究機関などと実用に向けた研究に入る計画で、歯や毛髪の再生のほか、肝臓や腎臓などの臓器に応用し、人工的に臓器をつくる再生医療への発展が期待されている。未来の技術予測によると2020年ごろにはとのことのようだ。

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投稿者 やたのからす on 2007年02月20日 10:33

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