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2009年10月09日

ノーベル化学賞|リボソーム構造解明の3氏が受賞

今週は、ノーベル賞ウイークで相次いで各賞の受賞者が発表されています。

2009年のノーベル化学賞を、英MRC分子生物学研究所のベンカトラマン・ラマクリシュナン博士と米エール大のトーマス・スタイツ教授、イスラエルのワイツマン科学研究所のアダ・ヨナット博士の3氏に授与するとスウェーデン王立科学アカデミーが2009-10-7に発表しています。

化学賞は、前年に続いて分子生物学分野の受賞となった。

リボソーム構造解明が受賞の理由

リボソーム(Ribosome)は、「たんぱく質の合成工場」と呼ばれ、たんぱく質の合成の場となる細胞質内の顆粒の小器官。

リボソームでは、酸素を運ぶ血中のヘモグロビンや、血糖値を調節するインスリンなど、生命活動の維持に不可欠な物質が合成されている。

リボソームは、大きさは約25ナノメートルで、DNAにある遺伝情報を「mRNA」と呼ばれる分子がコピーし、それを基にリボソームの中でさまざまなたんぱく質が合成される。

すべての細胞内に存在し、ミトコンドリア、葉緑体にも存在している。

リボソームは、複数のリボソームRNA(rRNA)と数十個のたんぱく質分子からなる。

真核細胞のリボソームは、沈降速度80S(S:スベドベリで沈降速度の単位)の粒子で60Sと40Sのサブユニットからなるのに対し、原核細胞のリボソームは、70Sの粒子で、50Sと30Sのサブユニットからなる。
                                       
この構造を解析し明らかにしたのが、3氏の功績になる。

ヨナット博士は、1970年代から、X線を使ったリボソームの構造解明に取り組んだ。

当時、解析に向いた結晶を作ることは非常に困難と考えられていたが、同博士が解決の糸口を見いだし、研究者の競争が活発化。

3氏は、ほぼ同時に細菌のリボソームの構造を原子レベルで特定し、2000年に発表している。

リボソームや翻訳を阻害する薬剤は生物のタンパク質の合成を停止させるために毒性を示す。

リボソーム阻害剤は病原細菌の増殖停止を目的にした感染症の化学療法薬にも利用されている。

真正細菌とヒトなどの真核生物ではリボソームの構造が異なるため、真正細菌のリボソームにのみ特異的な阻害剤は、病原細菌に対する毒性は高いがヒトに対する毒性が低い、選択的治療薬として働くためである。

3氏は、この細菌のリボソームに抗生物質が結合し、その働きを阻害する様子を解明。

抗生物質は繰り返し使うと、細菌が抵抗力を持つので、新型の抗生物質をより簡単に設計することにも貢献した。

百聞は一見にしかずというが、複雑な生体分子でもX線で見ることができると得られる知見は大きいということだ。

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投稿者 やたのからす on 2009年10月09日 18:27

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