煙突にフタが:山口のホテルでのCO中毒事故
6月2日に報道されていた大阪府高槻市の22人の修学旅行生らが病院で手当てを受け、うち同行のカメラマンが一酸化炭素中毒で亡くなったという痛ましい事故があったが、山口に当該のホテルの問題の原因となったボイラーの煙突には、蓋が付けられていたということのようだ。(その写真も公開されている)
2台あるというボイラーのうちのこの古い方のボイラーは、2年前に故障により、一度は、撤去されていたもののようだが、また設置し直されたということのようだ。
この蓋がいつ付けられたものか不明だが、常識的に判断すると一度撤去された時に、もう使わないからとのことで煙突から雨水などが侵入するのを防ぐために蓋をされたものかと推測される。
なぜこんな問題が起こるかを考えてみるとボイラーの設置は、設備機器の販売業者が設置し、煙突などの排気系は、通常、ブリキ屋さんが現場の事情に併せて加工するというようにボイラーの設置と排気系の施工とが業者が異なっている場合が往々にしてある。
一般には、ボイラー設置時に煙突がないと、煙突を施工した後でボイラーの設置業者が試運転して問題を確認するはず。
今回は、再設置の際に煙突があったので古いボイラーをそのまま煙突につないで、まさか煙突に蓋されているとは思わず、短時間の燃焼テストでOKとしたといったところではないかと推測される。
しっかりホテル側の管理者がボイラーの管理記録を作成して設備の(安全)管理をしておくことが重要だ。
煙突の排気系が蓋をされている状態で燃焼させるとどのようなボイラーであろうとボイラーの燃焼室がすぐに酸素不足の状態になり、バーナーや燃料の形式や種類に関係なく、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素を発生することになる。
バーナーの形式や燃料の種類により程度が異なるが燃焼室の酸素濃度が18%~15%を割ると燃焼状態は著しく悪くなり一酸化炭素は指数関数的に増加する。
一酸化炭素濃度は、1%(10,000ppm)程度まで簡単に増加すると考えられる。
燃料の種類にも依存するがほかにも炭化水素やススなども発生すると思われる。
ボイラーの燃料供給と酸素(空気)の供給で煙突内の排気ガスは、加圧されているのでこれは、煙突の隙間などから漏れる。
煙突の蓋がされてなければ、燃焼室では酸素不足にならないので、一酸化炭素濃度は、10~50ppm程度でこれは隙間などから少々漏れても空気で希釈されて問題にはならないが、%オーダーの一酸化炭素が漏れると希釈されたとしても毒性が問題になるレベルの一酸化炭素濃度になってしまうと思われる。
事故は、幾つかのアンラッキーが重なって起こるが、ホテルのような場合は、客室及びボイラー室には、火災報知と一酸化炭素検知の機能を備えた警報機の設置が必須ではないかと思われる。
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