家・職場のほこりに有毒ダイオキシン類
以下のニュースが日経ネットのサイトで報じられました。
「国内の家庭やオフィスのほこりの中に、臭素系のダイオキシンや有機スズ化合物などの有害化学物質を高濃度で含むものがあるとの研究結果を、京都大と愛媛大、国立環境研究所の共同研究グループが22日までにまとめた。
詳しい健康影響の評価は今後の課題だが、ほこりからの臭素系ダイオキシンの推定摂取量は、ほこりを吸いやすい幼児で多く、現在主要な摂取ルートと考えられている食品からのダイオキシン類の摂取量を上回り、主要な汚染源の1つになっている可能性があるという。
グループの酒井伸一京大環境保全センター教授は「発生源は分からないが、家電製品やコンピューターのケースなどに(製造時に混ぜ込んで)使われる臭素系の難燃剤の関連が疑われる。摂取量を減らすには、掃除を小まめにしてほこりがたまらないようにすることが大切だ」と指摘。オスロで8月に開かれるダイオキシン国際会議で発表する。」〔共同〕 (14:47)
(日経ネット;主要ニュース)
このニュースでは、検出されたダイオキシンの濃度とかが明らかにされていません。
また国内の家庭やオフィスのほこりがどのようにサンプリングされたのかも不明ですが、ダイオキシンの分析の検出の感度を考慮すると大量のほこりが採取されたと推測されます。
このダイオキシンは、たばこに由来する可能性があるのではないかと思われます。ほこりを採取するのに床や部屋の隅の壁面と床面の境界とかをこすってサンプリングすれば、喫煙の履歴がある家庭やオフィスでは、通常に壁面を水を含む白い紙でこすれば、たばこのニコチンやタール分で黄色く変色し、明らかにたばこのニコチンやタールの臭気がします。またこの中には、明らかにダイオキシンが含まれています。
またエアポンプで吸引し、フィルターでほこりをトラップして採取する方法でほこりを集めたとしても喫煙者がいる部屋であれば、たばこの煙がほこりの表面に吸着されている可能性は、相当に高いと思います。
仮に家電製品やコンピューターのケースなどに臭素系の難燃材が使われていたとしても、なぜそれがほこりに付着するのかそのメカニズムが不明です。使用中に大気中に揮発するということでしょうか。
家電製品やコンピュータのケースで、使われていた臭素系難燃材ですが、ヨーロッパで1980年代にデカブロをはじめとした臭素系難燃剤が燃えるとダイオキシン類似の物質を生成する恐れがあるとの報道がされた時代に、日本のほとんどの家電メーカーやコンピュータメーカーでは、すでに一番疑わしいとされたデカブロの使用を禁止しています。一部のメーカーは、その少し後に一切の臭素系難燃剤の使用をやめています。10年ほど前から中止しています。
また業界全体としてもEU指令(RoHS指令)で、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)が禁止された背景もあって、我が国の電気・電子機器で脱臭素系難燃剤対策が著しく進んだ背景もあります。(アメリカ、ヨーロッパでは、まだ一部で使われているようです。)
また一番ダイオキシン類の生成の可能性が高いとされていたデカブロについて、EUは、 2005/10/15付のOffical Journal of European Unionにおいて、PBDEの1種である Deca-BDE(通称:デカブロ)を、RoHS指令 規制物質より除外したことを発表しています。
これは、最新のデカブロのリスク評価の結果、デカブロの科学的な安全性が裏付けられたためで、これにより、デカブロは、電気電子機器の難燃剤として、継続的な使用が可能となっています。
ただし、上記に記載したように我が国では、すでにほとんどの臭素系難燃材は、使われていない実態にあると思います。
「摂取量を減らすには、掃除を小まめにしてほこりがたまらないようにすることが大切だ」という話は、変ではないかと思います。なぜならほこりが問題なのではなく、発生源が揮散する臭素系の難燃剤だと考えるのであれば、ほこりを吸う前に大気中に揮散している臭素系の難燃剤を吸うことが問題で、床面に沈降したほこりを掃除で除去しても意味は無いのではないかと考えられます。
呼吸により取り込む空気の方が、その空気を介して、ほこりに吸着したダイオキシンより圧倒的に多いと考えられるためです。ほこりが特別にダイオキシンに対して活性があり大量に吸着してダイオキシンを濃縮するのなら別かも知れませんが。逆に言えば、これは、冗談ですが、そんなほこりであれば、ほこりが大量にあった方が、部屋の空気のダイオキシン濃度は、少なくなるのではないでしょうか。
発生源対策をしないと問題は、解決しない筈です。
私は、室内での禁煙こそ、この問題解決のキーポイントではないかと考えています。
| 【このページをソーシャルブックマークしてみんなに紹介する!】 | |



