0.3秒の優勝決定戦で白鵬が優勝
大相撲春場所千秋楽は、大関・白鵬が2敗で並んでいた横綱・朝青龍を優勝決定戦で下し、5場所ぶり2度目の優勝を飾った。
わずか0秒3の「大一番」だった。
仕切りの間に両者の気合が気合が入ってくるのが、TV画面にも現れていた。
がっぷり渡り合った熱戦がこれから展開されるかと誰もが思った立会い。
瞬きの間に勝負が付いていた。
朝青龍の左手が土俵についていたかどうかそのときは分からなかった。
立ち合い、十分に朝青龍が飛び込んだが、少し頭が低いと瞬時に判断したのか白鵬は左に跳ぶように変化し、頭を押さえつけられた朝青龍は前のめりになり、あっさりと左手をついていた。
ビデオが放映され、白鵬が派手なガッツポーズを作っていたのが印象的だった。
他方、朝青龍は、一瞬なんだというような視線で白鵬を見たが、何となく苦笑いを浮かべるしかなかった。
往々にして大勝負では、結果があっけないことはある。
白鵬が琴欧洲を下した直後、結びの朝青龍が立ち合いに右に変わって千代大海をはたいた。
この勝負に勝ち越しをかけていた千代大海の顔が、土俵下に落ちた後、そんなのありかよという恨めしそうな視線で朝青龍を思わず見上げていたのが印象的だった。
なんとしても勝ちたいとの朝青龍の執念だったが、決定戦で逆に自分が奇襲戦法で負けるとは、つゆ思っておらず、朝青龍の油断を咎めた白鵬が勝負師として成長したということだろう。
またこの油断で左手を突いて負けた朝青龍は、苦笑いするしかなかった。
マスコミでは、この相撲を批判的に取り上げている。
『えっ変化?優勝決定戦にブーイング』と題して、以下のように紹介している。
【ところが、白鵬が左に変わって朝青龍をはたき込みで撃破するまさかの展開に、熱戦を期待していた館内も拍子抜け。場所前の八百長疑惑報道を受け、疑惑一掃を誓った場所だったが、何とも後味の悪い結末となった。
【スポーツ日本{ 2007年03月26日付 紙面記事}】
正々堂々との真っ向勝負も相撲の醍醐味だが、一瞬の相手の隙を突くのもまた相撲の醍醐味ではないか。
これこそ立会いの面白さの極みでなかろうか。
今場所の15日間の相撲でも白鵬が変化で勝ったのはわずか。
ほとんどが真っ向勝負で勝っている。
昔の相撲でも、真っ向相撲ばかりかというと、小兵ということはあったが、栃-若時代には、両者とも立会い一瞬の飛んで上手出し投げの戦法を得意としていたものだ。
当時このような相撲についての批判もほとんど耳にしていない。
このような奇襲戦法は、真剣勝負だからこそを思わせる決まり手で、がっぷり四つの寄り切りの勝負の方がある種、八百長疑惑ぽい印象になる。
私などは、寄り切りばかりが並ぶ相撲よりも、多彩な48手、68手とかが繰り出される相撲の方がファンを呼べる魅力ある相撲なのでないかと思う。
観客の反応は、余りにもあっけない相撲で驚いたとの反応はあったと思うが、テレビ画面から見る限り、スポーツ新聞が報じているそんなひどいブーイングがあったようにも思われなった。
真剣勝負の醍醐味をみた相撲で、決して疑惑一掃を誓った場所に水を差す、後味の悪い結末とは、感じなかった。
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